自作ポエム

自作ポエム(じさくぽえむ)とは、ファイル共有ソフトの使用目的についての大義名分。「匿名性の高いファイル共有ソフトを(著作権侵害行為ではなく)自作のポエムを匿名で公開するために使う」ということ。

概要編集

Winny等のファイル共有ソフトは、その匿名性から、映画・書籍・ゲームソフト等の著作物を権利者に無断で配布するという違法行為(著作権法違反)に使われることが多い。しかし、ファイル共有ソフト自体はその名の通り「ファイルを共有するためのソフト」であって、機能そのものが違法性を持つわけではない。Winny開発者の金子勇が著作権法違反の幇助の罪で刑事裁判にかけられたり[1]、「違法なソフトウェアWinny」といった論調の報道が相次いだりした2000年代、「Winnyそのものに罪はない」「包丁を使った犯罪が起きたら包丁を規制するのか」というような擁護論が、主に2ちゃんねるにおいて発生した。

その中で、「違法なことをしないなら匿名性は必要ないはず」との命題に答えんとして自作ポエムの理屈が発生した。「ポエム」とは詩または詩的な文章のことだが、ここでは「人に見せるのが気恥ずかしいような文章」を指し、「自作のポエムを実名で発表するのが恥ずかしいからファイル共有ソフトの匿名性を利用して発表する」という理屈となる。もちろんこれは後付けの屁理屈であって、Winny等のファイル共有ソフトが「自作ポエム」の発表のために大々的に使用されたことはない。初出は不明だが、金子勇がWinnyの開発を宣言したことからその後も利用者同士の交流が主に行われていた、2ちゃんねるのDownload板で発生したものと考えられる。

注記編集

  1. 2011年に最高裁判所で金子の無罪が確定した(裁判所Webサイト決定書決定書アーカイブ